第三十六幕:太陽を想う虹と

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自分の部屋に戻り、オルゴールを分解してみる。直方体の小さな木箱のオルゴール。蓋を開けると左半分にオルゴールのメカが入っていると思われるが、外からその様子は見えない。右半分は小物入れになっており、蓋の内側はキャラクターのイラストが描かれているが、これは写真立てのように自分好みのイラストや写真と交換できるようになっていて、なかなか良いオルゴールだと思う。 壊れたオルゴールは、中のメカの部品が脱落しているだけだと思っていたけど、分解してみると、絶望的な光景だった。風切り羽は外れ、櫛のような部品がバラバラに破損していて、単純な部品の組み直しだけでは直らない事がすぐに分かった。 時崎「これは、結構厄介かも・・・」 MyPadでオルゴールの部品や構造について調べてみる。破損した櫛のような部品は「振動弁」と呼ばれているようで、これが音色を生み出す部品のようだ。いくつかのギヤも脱落している。とりあえず、構造が分かったので組める範囲で組みなおしてみる。 時崎「今、出来る事はここまでか・・・」 オルゴールのぜんまいハンドルを回して演奏させてみる。シリンダーや各ギヤは動作しているようだが、振動弁が破損しているため、本来の演奏は出来ておらず、何の曲かすら分からない。とにかく、破損した振動弁を入手しなければ、この先どうにもならないので、この近くにオルゴール取り扱い店が無いかをMyPadで探してみる。天美さんの為に、なんとかしなければ! 天美さんを喜ばせる事は、七夏ちゃんを喜ばせる事と同じなのだから!     
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