第三十八幕:架け離れゆく虹

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最初は窓の外が時々、光るだけだったけど、次第に雷の音も聞こえ始める。雷雲がこちらに近づいているようだ。窓に近づき、外の様子を伺う。僅かに街の明かりは見えるけど、ほぼ真っ暗な世界。 時崎「っ!」 暗い世界が脅かすかのように一瞬光る・・・ついで、大きな轟音。こういうのは不安な気持ちを呼んでしまう。 時崎「っ!!!」 さらにまぶしい光と、何かを割り裂くような音! そして、雨音も加わった。その時--- 時崎「えっ!?」 突然、視界を失う、何も見えない暗闇の世界・・・どうやら停電のようだ。俺は机の上の携帯端末を探す。懐中電灯とまでゆかなくても液晶画面の光で、ある程度周りを灯せるはずだ。だけど、机の上に置いてある携帯端末画面は消えてしまっているらしく、すぐに場所が分からない。今まで明るかった部屋が急に暗くなると、黒一色の世界となって方向感覚すら麻痺する。・・・目が慣れるまでしばらくかかりそうだ。すると「トントン」と扉から音がして--- 七夏「柚樹さん、大丈夫ですか?!」 七夏ちゃんの声がする。俺は直ぐに返事をする。 時崎「七夏ちゃん! 大丈夫!」 すると七夏ちゃんが扉を開けて入ってきた。 七夏「良かった・・・すみません。停電みたいです」     
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