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意外な事に七夏ちゃんは懐中電灯の類を持っていない。だけど、七夏ちゃんの瞳は結構輝いており、そこに目がゆく。すると俺の視線を感じ取ったらしく、七夏ちゃんは目を逸らしてしまった。
七夏「あっ・・・怖い・・・ですよね・・・」
その言葉は色々な意味に捉えられ、返答するのに少し時間がかかってしまう・・・。
時崎「怖くないよ。ありがとう、七夏ちゃん」
七夏「私、お母さんの様子も見てきます」
時崎「俺も一緒に!」
七夏「ありがとうございます。でも周りが暗いですから」
時崎「七夏ちゃん、机の上に携帯端末があるはずなんだけど、分かる?」
七夏「はい。机ですね。ちょっと失礼します」
七夏ちゃんは迷う事なく、机の場所へ辿り着き、携帯端末を探し当てる。その様子を見て、七夏ちゃんは暗闇での視界認識が高いという事を思い出す。瞳がより輝いて見えたのもその影響だろうか。
七夏「はい。どうぞです☆」
時崎「ありがとう」
俺は七夏ちゃんから携帯端末を受け取り、手探りで液晶画面を点灯させる。真っ暗だった部屋の様子がある程度認識できるようになった。
時崎「凪咲さん、台所か居間かな? とりあえず1階へ降りよう」
七夏「はい」
俺と七夏ちゃんは凪咲さんの所へ向かう。
七夏「階段、足元、気をつけてくださいね」
時崎「ありがとう」
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