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七夏ちゃんと話がしたい! 俺は急いで風水へ戻った。玄関を通ると、凪咲さんから声を掛けられた。
凪咲「柚樹くん、七夏と何かあったのかしら?」
時崎「・・・・・」
凪咲さんから訊かれる事くらい分かっていたはずだ。なのに、いつも後手後手になってしまっている。七夏ちゃんの事を「のんびりさん」なんて思っていたけど、俺の方がもっと、どうしようもないくらい・・・。
凪咲「急に近づき過ぎたのかも知れないわね」
時崎「え!?」
凪咲さんが呟くように話した。
凪咲「なんでもないわ」
時崎「すみません。実は---」
俺はさっきの出来事を凪咲さんに話した。
時崎「俺、どう答えたらいいのか分からなくて」
凪咲「そう・・・柚樹君と七夏、似てるわね」
時崎「え!?」
凪咲「柚樹君にとっての虹と、七夏にとっての虹。それだけの事かしら?」
時崎「それだけ?」
凪咲「柚樹君と七夏が、お互いの事を想って・・・」
時崎「いえ! 俺なんかっ!---」
凪咲さんは首を左右に振って、俺の言葉を止める。
凪咲「少し、距離を置いてみると、色々と見えてくると思うわ」
時崎「・・・・・」
凪咲「七夏の事なら、心配しなくても大丈夫。柚樹君は自分の気持ちをよく考えて、大切にしてくれるかしら?」
時崎「すみま・・・ありがとうございます」
凪咲「七夏もきっとそう思ってると思うわ」
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