第三十八幕:架け離れゆく虹

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凪咲さんは優しく微笑んでくれた。俺は一礼をして七夏ちゃんの所へ向かった。 時崎「七夏ちゃん・・・」 ・・・けど、扉を前にして身動きが取れない。七夏ちゃんに会って話がしたいけど、今、会って上手く話せるのか?  <<凪咲「少し、距離を置いてみると、色々と見えてくると思うわ」>> 時崎「凪咲さん・・・」 俺は、七夏ちゃんに会いたい気持ちを抑え、凪咲さんの言葉に従うことにした。少し、冷静になった方がいい。 自分の部屋に戻ったけど、何も行おうとする気がしない脱力感に襲われる。写真機を机に置き、そのまま机にうつぶせになる。自分が情けない。目を閉じてこれまでの事を考えようとするけど---  ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ??「・・・君」 時崎「・・・・・」 誰かに呼ばれている気がした。 ??「柚樹君」 時崎「んん・・・」 誰かに呼ばれている! 凪咲「柚樹君」 時崎「な、凪咲さん!?」 部屋に凪咲さんが居る。何か用事だろうか? 凪咲「ごめんなさい。勝手に入ってしまって」 時崎「い、いえ! 何か用事でしょうか?」 凪咲「お夕食、出来てます。柚樹君、なかなか居間に来てくれないから」 時崎「え!? 夕食!?」 時計を見る・・・21時半!? 時崎「す、すみませんっ! 寝てしまって」     
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