第三十九幕:すれ違いの虹

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凪咲「急に色々な事があると、気持ちを纏めるのに時間が必要なのよ。そして、その時に気持ちの対象となる人が近くに居ると、上手く纏まらないのよ」 どんな顔をして七夏ちゃんと会えばいいのだろう・・・そう思っていた俺に、凪咲さんの言葉が鋭く刺さった。 凪咲「でも、距離が離れ過ぎたり、時間が掛かり過ぎても、上手くゆかないのよ」 時崎「・・・・・」 凪咲「今日一日」 時崎「え!?」 凪咲「今夜は、駅前の宿に泊ってみると、色々と見えてくる事があるかも知れないわね」 時崎「それって」 凪咲「柚樹君と七夏、似ているから、同じように風水を見つめなおしてもらえるかしら?」 時崎「凪咲さん・・・」 凪咲さんは優しく微笑んでくれた。 時崎「色々、すみません。ありがとうございます」 凪咲「いいのよ。そのかわり、七夏の事、これからもよろしくお願いします」 時崎「はい」 凪咲「少し、遅くなっちゃったけど、朝食、頂いてくださいね」 時崎「ありがとうございます」 いつもよりかなり遅い朝食。もう、昼食と言えるかも知れない。 時崎「!?」 窓の外から蝉の声。だけど、この夏初めて聞く鳴き声だ。 時崎「ツクツクボウシ・・・か」     
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