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凪咲「急に色々な事があると、気持ちを纏めるのに時間が必要なのよ。そして、その時に気持ちの対象となる人が近くに居ると、上手く纏まらないのよ」
どんな顔をして七夏ちゃんと会えばいいのだろう・・・そう思っていた俺に、凪咲さんの言葉が鋭く刺さった。
凪咲「でも、距離が離れ過ぎたり、時間が掛かり過ぎても、上手くゆかないのよ」
時崎「・・・・・」
凪咲「今日一日」
時崎「え!?」
凪咲「今夜は、駅前の宿に泊ってみると、色々と見えてくる事があるかも知れないわね」
時崎「それって」
凪咲「柚樹君と七夏、似ているから、同じように風水を見つめなおしてもらえるかしら?」
時崎「凪咲さん・・・」
凪咲さんは優しく微笑んでくれた。
時崎「色々、すみません。ありがとうございます」
凪咲「いいのよ。そのかわり、七夏の事、これからもよろしくお願いします」
時崎「はい」
凪咲「少し、遅くなっちゃったけど、朝食、頂いてくださいね」
時崎「ありがとうございます」
いつもよりかなり遅い朝食。もう、昼食と言えるかも知れない。
時崎「!?」
窓の外から蝉の声。だけど、この夏初めて聞く鳴き声だ。
時崎「ツクツクボウシ・・・か」
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