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笹夜「は、はい!?」
時崎「あの時の高月さんの演奏、録画してるから、それを聴けばいいと思う」
笹夜「録画・・・まだ残ってますか?」
時崎「もちろん! 消すはずないよ!」
笹夜「ありがとうございます。でも、私・・・」
時崎「どうしたの?」
笹夜「音感が鋭くなくて・・・聴いても分かるかしら?」
時崎「おんかん?」
笹夜「私、『絶対音感』を持っていなくて・・・」
時崎「絶対音感?」
笹夜「例えば『ラ』の音を鳴らした時に、それが『ラ』だと分かる事です」
時崎「音当てクイズみたいなイメージかな?」
笹夜「はい。美夜は絶対音感を持ってるのに、どおして私は・・・」
時崎「みや?」
笹夜「あ、すみません、私の妹です」
時崎「高月さん、妹さんが居たんだ」
笹夜「はい。絶対音感は、幼い頃にしか習得できないみたいで、私は少し遅かったみたいです」
時崎「そう・・・なんだ」
笹夜「私がピアノを弾いているのを傍で聴いていた美夜は、自然と絶対音感を身に付けていて・・・でも、美夜はピアノには全然興味がないみたいで・・・」
時崎「興味の対象は人それぞれだから」
笹夜「はい。 絶対音感のない私が、電子ピアノのデモ音楽を担当してよいのかしら?」
時崎「いいと思う!」
笹夜「え!?」
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