第三十九幕:すれ違いの虹

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虹の話題が苦手な事も、今さら訊く必要は無い。その事で、今がある。虹に対しても七夏ちゃんは変わろうとしている。俺は七夏ちゃんに「七色の虹を見せてあげたい」なんて話しておきながら、何も出来ていない。 「七夏ちゃんの落とす影って?」 以前に高月さんが話していた事。笑顔から影が落ちているというのは・・・七夏ちゃんを見ていても気付けないままだ。 「可愛いと言われる事は迷惑?」 ある時期から七夏ちゃんは「可愛い」という言葉に対して何とも言えない困惑の表情を浮かべるようになった。でも、完全に嫌がっているようには思えない。お泊り客から「可愛い」と言われた七夏ちゃんは笑顔で応対していた。 ここまで考えて、ある事に気付く。 時崎「あっ!」 七夏ちゃんの最も魅力的な「ふたつの虹」について、思い出すかのように意識された。七夏ちゃんは「ふたつの虹」を感覚出来ていない。そして、天美さんや、高月さんも「ふたつの虹」を感覚していないかのように振舞っている。今の俺もそうだった。最初は変化する七夏ちゃんの瞳の色が不思議で魅力的に思えた。それは今でも変わらない。けど、それよりも、もっと魅力的で大切な事があって、それを想う気持ちこそ「ふたつの虹」の持つ本当の魅力なのかも知れない。 高月さん、参考書選びに悩んでいるのだろうか? 笹夜「時崎さん!」 時崎「え!? うわっ!」 笹夜「きゃっ!」 時崎「ご、ごめん!」     
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