第三十九幕:すれ違いの虹

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雑貨店を出ると、日が結構傾いていた。意外と時間を使ってしまったようだ。高月さんが隣町に住んでいる事を考えると、写真屋さんは俺一人で行く方が良さそうだ。 時崎「高月さん、今日は色々とありがとう!」 笹夜「はい♪」 時崎「駅まで送るよ!」 笹夜「え!? 写真屋さんへは・・・」 時崎「今からだと、高月さんの帰りが遅くなるから、写真屋さんへは俺一人で」 笹夜「は、はい・・・」 ん? 何だろ? また少し高月さんの様子が変わったような気がした。  ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 駅に着いたけど、高月さんは急に話しかけてこなくなった。何か少し気まずいけど、気に障るような事を話しただろうか? 写真屋さんへ俺一人・・・その事が影響しているようには思えないのだけど・・・。 時崎「高月さん! 今日はありがとう!」 笹夜「・・・はい・・・」 高月さんは、改札の前まで歩いてこちらに振り返る。長い黒髪がその後を追うようにふわりと広がる・・・前にも見た事のある光景。何度でも見てみたい光景。 俺はその瞬間を撮影して記録したかったが、今の高月さんの様子を考えると、写真撮影を行おうとは思わなかった。丁度、隣町行きの列車が改札越しに見えた時--- 笹夜「と、時崎さん! わ、私、時崎さんの事が---」 時崎「!!!!!!!」     
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