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体温を測る七夏ちゃんの浴衣から少し見えた下着に視線を奪われてしまう・・・こんな時に何を考えているんだ! いや、七夏ちゃんだから気になってしまう・・・などと自分に言い訳をしているが、七夏ちゃんは見られている事に絶対気付いているはずだ。
七夏「!? どうしたの? 柚樹さん?」
気付いているはずなのに、気付いていないかのように尋ねてくる。これは、試されているのかも知れない。俺は正直に話した。あくまでも直接的ではない言い方で。
時崎「な、七夏ちゃん・・・そ、その、浴衣から七夏ちゃんの可愛いのが・・・」
七夏「あっ、で、でも、こうしないと、測りにくいから・・・」
時崎「そ、その・・・ごめん」
七夏「くすっ♪」
今の七夏ちゃんをまともに見れない。
時崎「・・・・・」
七夏「・・・・・」
この、もどかしくも静寂な時間を割ったのは、体温計の無機質な音だった。
ピピッ! ピピッ! ピピッ!
七夏「あ・・・」
七夏ちゃんが体温計を見る。
時崎「どう?」
七夏「37.2度・・・です」
時崎「やっぱり、熱があるみたいだね」
七夏「・・・・・」
時崎「今日は、ゆっくり休んで---」
俺がそう言いかけると、
七夏「そんなっ! 私・・・大丈夫です!!」
七夏ちゃんが、慌ててそう返してきた事に驚いた。普段の七夏ちゃんは、あまり我侭を言わないから。七夏ちゃんのお願いを聞いてあげたいけど、どうする?
時崎「七夏ちゃん。無理はしないほうがいいと思う」
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