11人が本棚に入れています
本棚に追加
・・・その可能性の方が遥かに高いのに、期待した自分が情けない・・・しかも、心拍数まで上げて。確かに長い髪の少女の後姿だけで考えると、似ている人が結構いるので注意が必要かも知れない。しかし、完全な空振りではない、なぜなら、人違い少女さん(ゴメン)の制服は、水風さんと同じみたいだったので、水風さんの事を知っているかも知れない。俺は人違い少女さんに訊いてみる・・・水風さんの写真画像を見せて---
時崎「すみません。この人を知りませんか?」
人違い少女さんは、その写真を覗き込む。
少女「・・・ごめんなさい。知らないです」
時崎「どうもありがとう」
少女「確かに、雰囲気は私と似ていますね」
時崎「そうですね。なので、さっきは・・・すみません」
少女「いえ。私と同じ制服なら、学校で会えるかも?」
時崎「なるほど! 学校か・・・」
・・・人違い少女さんから学校の場所を教えてもらった。俺は、人違い少女さんにお礼を言い、その学校へ向かう事にした。
学校の校門前まで来たが、時期的に夏休みが始まったのか、部活をしている人以外は学校には来ていないようだ。水風さんは昨日制服姿だったが、何らかの部活を行っている可能性はある。一応グランドも見てみたが、それらしい人はいない。自分の母校でもないのに、突然「人を探してます」って尋ねても、個人情報とかの問題で、すんなり教えてくれる可能性は低そうだ。なんとなく、学校とその周辺の風景写真を撮影しながら水風さんを探している間に、昨日水風さんとバス停で出逢った時間が迫りつつある。どうするか悩んだが、とりあえず、バス亭に向かう事にした。
最初のコメントを投稿しよう!