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こんな事しか出来ないなんて・・・。雨粒が窓を叩く音は、不安な気持ちを増幅させられる。七夏ちゃんも同じ気持ちなのかも知れない。
時崎「七夏ちゃん」
俺は、タオルを交換する間隔を短くする。
七夏「はぁ・・・はぁ・・・」
ただひたすらに、七夏ちゃんのタオルを交換するだけになっていた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
タオルを裏返して、冷やして・・・の繰り返しで数時間経過していた。だけど、その効果なのか、息苦しそうだった七夏ちゃんは、今、落ち着いて休んでくれている。雨も上がったようだった。
七夏「すー・・・すー・・・」
時崎「七夏ちゃん・・・ちょっと、ごめんね」
俺はタオル交換の時、七夏ちゃんの額に手の甲をあてた。
時崎「・・・良かった。熱は下がっている」
七夏「すー・・・すー・・・」
タライの氷は解けて水になっていたけど、追加の氷は必要なさそうだ。
そのまま、冷たい水で、七夏ちゃんの額を冷やす。
七夏「んん・・・」
時崎「!?」
七夏「・・・ちゃ・・・」
ちゃ? 七夏ちゃん、天美さんと一緒の夢でも見ているのだろうか? 夢を見るという事は眠りが浅くなった事を意味する。もう少しで目覚めてくれるかも知れないな。
七夏「すー・・・すー・・・」
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