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一時はどうなるかと思ったけど、落ち着きを取り戻してくれたみたいで本当に良かった。あのまま、七夏ちゃんの希望を聞いて水族館へ出掛けていたら、大変な事になっていたと思うと、少し寒気がした。ちょっとした変化に気付いてあげられるようになりたい。
七夏「・・・さん」
時崎「!? 七夏ちゃん!?」
七夏ちゃんは、俺の方を見て微笑み、そのまま目を閉じた。これにもきっと意味があるはずだ。だけど、分からない。ん!? お布団から七夏ちゃんの手が出ている。俺はその手を優しく両手で包んだ。
七夏「くすっ☆ 柚樹さん☆」
時崎「ん?」
七夏「ありがとうです☆」
時崎「あ、ああ。気分はどう?」
七夏「はい♪ 今はとても楽です♪」
時崎「そう・・・よかった」
俺は恥ずかしくて、七夏ちゃんの顔を見れずにいた。
七夏「夢・・・」
時崎「え!?」
七夏「夢を、見ました。大きな虹が架かってて・・・一緒に見ていたのは、誰だったのか思い出せなくて・・・」
今、七夏ちゃんに色々と考えさせるのは良くない。それよりも、虹の色の事まで話し始められるのが怖かった。
時崎「七夏ちゃん!」
七夏「はい☆」
時崎「喉、乾かない?」
七夏「はい♪」
時崎「ちょっと待ってて! 飲み物、持って来るから?」
七夏「ありがとうです☆」
1階へ急ぐ。
時崎「凪咲さん!」
凪咲「柚樹君、さっきはごめんなさいね」
時崎「いえ。七夏ちゃんの熱が引いたみたいで、何か飲み物をお願いできますか?」
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