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時崎「『夢は自分で描ける世界』・・・なんか、七夏ちゃんの言葉じゃないみたいだけど」
七夏「え!? くすっ☆」
時崎「???」
七夏「お父さんの言葉・・・借りました☆」
時崎「直弥さんの言葉か。なるほど、良い言葉だね!」
七夏「はい☆」
七夏ちゃんが虹をどのように思っているのかは、まだなんとなくしか分からない。けど、七夏ちゃんは虹に対しての考えを変えようとしている事だけは分かる。
七夏「雨が上がって、虹が見えています☆」
時崎「え!? 虹!?」
俺は、反射的に窓の外を見てしまう。けど、雨は上がっているけど、虹は見えない。目を凝らしても虹が浮かび上がってくる様子も無い。
七夏「柚樹さん♪」
時崎「な、七夏ちゃん!?」
七夏ちゃんを見ると、両手を胸の辺りに持ってきて目を閉じていた。
時崎「???」
七夏「七夏は、今日とっても幸せです♪」
虹が見えると話した七夏ちゃん。俺には見えないけど、それは、七夏ちゃんにしか見えない「しあわせの虹」なのだと理解した。その虹が見えない、分からなくても嬉しい・・・この感覚は、七夏ちゃんだからこそ、俺に伝える事が出来るのだと思う。
七夏「柚樹さん?」
目が熱い。俺は、嬉しくて、泣きそうになっていたのだと思う。
時崎「あ、ごめん・・・安心したら、眠くなって・・・」
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