第四十二幕:見えない虹に気付く時

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足に付いた砂を洗ってきた七夏ちゃんは、とても満足そうな表情だ。俺を待たせて申し訳ないという気持ちが全く感じられない事が本当に嬉しい。 時崎「まだ本館で見ていない所があるけど、それも見る?」 七夏「はい☆」 再び、水族館の本館に戻ってきた。先ほど周ってきた方とは違う方を見て周る。 時崎「こっちは、深海魚かな?」 七夏「クラゲさんも居ます☆」 時崎「まさに流れに身を任せてだね!」 七夏「くすっ☆」 俺は虹色に輝く生き物がいないか無意識に探していた。虹色に輝く深海生物を水族館で見た記憶がある。虹色の中には、七夏ちゃんでも七色に見える虹色があるかも知れないと、思っていたからだ。そんな中、七夏ちゃんが、ある水槽を眺めて、声を掛けてくる。 七夏「柚樹さん☆」 時崎「どおしたの?」 七夏「これ、見てください!」 その水槽は、台の上に円柱を輪切りにして、横倒ししたような形状だった。円柱の厚みは20cm程で円の大きさは直径60cmくらいだろうか・・・。その円の周り付近を、沢山の小さな生き物が、くるくると回りながら移動している。円柱水槽の反対側から七夏ちゃんが姿を現す。
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