第四十五幕:思い出は七色の虹へ

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小鳥の鳴き声で目覚める。以前は蝉の鳴き声だったけど、気が付くと蝉の声はかなり遠く、蝉の種類も異なるようだ。 時崎「意識しないというのは、ある意味怖いな」 窓を開けて、外の空気を頂く。もうすっかり見慣れた景色だけど、違うこともある。小鳥と蝉の声に混ざって秋の虫の鳴き声も聞こえてくる。季節が夏を片付けようとしているようで、少し切なくなるけど、秋は実りの季節だ。俺がここ、民宿風水で過ごしながら作り上げてきた事・・・秋には少し早いけど、実ってくれる事を願っている。窓を閉めて部屋を見る。 時崎「・・・俺も部屋を片付けないと」 七夏ちゃんへのアルバムを眺める。糊は乾いていて、ようやく完成だと言えそうだ。俺が大切な人の為に想いを込めたアルバム。七夏ちゃんの心に届いてくれる事を願い、鞄の中へ大切にしまうその手は、少し震えていた。  ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 時崎「おはようございます!」 凪咲「おはようございます、柚樹君。七夏なら、お庭に居ると思います」 時崎「ありがとうございます!」 七夏ちゃんを探していた訳ではないけど、凪咲さんの言葉は嬉しい。大切な人と少しでも一緒に居たい願いを叶えてくれるから。     
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