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自分の事が一番・・・誰だって基本的にはそうだろう。「自分さえ良ければいい」という考え方だ。だけど、七夏ちゃんの言う「自分の事が一番」は違う。「自分さえ良ければいい」という考えの人と一緒に居ても、辛くなるだけだという事。俺の思ったとおり七夏ちゃんは、相手の事も、自分の事と同じくらい大切にできる人かどうかを、自分の目の特徴を利用して判断していた・・・と、いう事になる。これは、七夏ちゃんだからこそできる判断の仕方だ。虹が七色に見えなくても、七夏ちゃんは、それ以上に大切な、でも、普通の人では気付きにくい「人としての優しい心」を持つ事が出来たという事なのだろう。
時崎「七夏ちゃん!」
七夏「はい☆」
俺は、さっきから気になっている事を、訊いてみようと思った。これは、単純に考えると、俺が「自分の事を一番に考えている」と、捉えられかねないが、敢えて、はっきりと分かる形で・・・。七夏ちゃんが、どう解釈するかは、分からないけど、確かめたいっ!!!
時崎「もし、俺と同じような人が現れたら・・・」
七夏「え!?」
時崎「七夏ちゃんは、その人にも甘えてしまうのかな?」
七夏「・・・・・」
時崎「・・・・・」
訊いてしまった・・・。七夏ちゃんは、無言のままだ。俺は、どうするべきなのか・・・。
七夏「柚樹さんっ☆」
しばらくしてから、七夏ちゃんが答えてくれた。
七夏「私、甘える人は、お父さん、お母さんと・・・後は、も、もう一人だけで、いいかなって、思ってます☆」
時崎「え!?」
七夏「そ、それ以上、たくさんの人に優しくされても、受け止め切れません・・・だから・・・」
凪咲「七夏、柚樹君!?」
七夏「あ、お母さんっ!」
時崎「凪咲さん!」
凪咲「二人とも、ここに居たのね♪」
七夏「・・・・・」
時崎「はい。とても月が明るくて」
凪咲「あら、ほんと、綺麗ね♪」
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