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第十二幕:お揃いの虹
不思議なふたつの虹・・・自然に撮影するには・・・。俺は、先ほど録画した七夏ちゃんと天美さんの動画を眺めながら考える。動画内では自然な七夏ちゃんが存在するが、瞳の色は自然とは言えない・・・俺の記憶に残っている七夏ちゃんの瞳の色と異なるからだ。自然な七夏ちゃんの笑顔と虹のセットは、今のところ俺の記憶の中でしか存在していない。七夏ちゃん本人ですら、分かっていない事なのに・・・。
---玄関から物音がした---
??「ただいま」
時崎「あ、凪咲さん! お帰りなさい!」
凪咲「柚樹君! お留守番ありがとうございます!」
時崎「いえ・・・」
凪咲「僭越ですが、せっかくのご旅行なのに、どこかお出掛けなさらないのかしら?」
時崎「ありがとうございます。ここが居心地良くて! それに、七夏ちゃんの笑顔を撮影する約束もありますので!」
凪咲「まあ! ありがとうございます!」
時崎「午後からは、ちょっと出掛けます」
凪咲「はい。では、昼食を用意しますので・・・ごゆっくりなさってくださいね」
時崎「ありがとうございます!」
凪咲「では、失礼いたします」
凪咲さんは、台所へと向かう。
別の方向から階段を降りてくるような音がする。
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