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七夏ちゃんも、セブンリーフのカバーを見つけたようだ。ここで、俺が同じカバーを見せるとマヌケな気がして、自分の手にしていたカバーを反射的に背後に隠していた。既に無用になってしまったカバーの感触が空しく、ちょっと残念な俺の思いとは対照的に、とても嬉しそうにカバーを見つめる七夏ちゃん・・・ん?
時崎「な、七夏ちゃん!」
七夏「え!?」
時崎「そのカバー、ちょっと見せてくれる?」
七夏「はい☆」
七夏ちゃんは、カバーを俺の前に差し出してくる。俺はそのカバーの対象機種を確認した。
時崎「七夏ちゃん・・・それ、七夏ちゃんのには使えない・・・」
七夏「え!? そんな・・・」
時崎「それ、俺の持ってる『MyPad』には対応してるんだけど・・・」
七夏「そうなのですか・・・。じゃあ、これ、柚樹さんにプレゼントします♪」
時崎「え!?」
七夏「柚樹さんのは、結構年期が入っているみたいですから」
七夏ちゃんの意外な申し出に、どう答えるべきか俺は焦った。その時、背後に持っていた物の存在を思い出す。一度、無用になったと思った物が、凄く心強い存在に思える。
時崎「ありがとう! じゃあ、俺は七夏ちゃんに、これをプレゼントするよ!」
七夏「え!?」
さっきの俺と同じような返事をする七夏ちゃんの前に、背後に持っていたカバーを見せる。
七夏「あ! セブンリーフ! でもそれって・・・」
時崎「大丈夫! 似ているけど、これは七夏ちゃんの機種に対応してるよ!」
七夏「わぁ☆ 本当ですか!?」
時崎「これでよければ、プレゼントするよ!」
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