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俺がそう言うと、七夏ちゃんは不思議そうな表情を浮かべ、その後から嬉しさが追いかけてくるのが伝わってきた。これは一瞬だけではなく、しっかりと嬉しく思う。俺は、凪咲さんと話した事を七夏ちゃんに伝え、今回の旅行の目的に七夏ちゃんの笑顔を撮影する事を正式に依頼された事も話した。
七夏「ほ、ほんとですか?」
時崎「ああ、これからもよろしくお願いします!」
七夏「わぁ☆ こちらこそです!」
時崎「あ、写真の件もよろしく!」
七夏「くすっ☆ はい!」
時崎「これからは、雑用も言ってくれていいから!」
七夏「はい! ・・・あ、えっと、すみません!」
時崎「謝る事はないよ」
七夏「ありがとうです! 頼りにしてますね☆」
時崎「ああ。それじゃ、用があったら、いつでも声をかけてくれていいから」
七夏「はい☆」
時崎「あ、用が無くても声をかけてくれていいから!」
七夏「くすっ☆ はい♪」
七夏ちゃんとの距離が、また少し近くなったような気がして嬉しい。俺は自分の部屋に戻り、考える。これからも、七夏ちゃんの力になり、喜んでくれるような事を考え、写真に残せるようにしたい。滞在期間の延長と言っても俺自身にも期限があるが、いつまで民宿風水でお世話になるかは話さないことにした。七夏ちゃんもその事を分かっているのか、いつまで俺がここに居るかという事を訊いてこなかった。その日を伝えるという事は、カウントダウンが始まってしまうからだ。
『虹は、いつまでも見えているわけではない』
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