11人が本棚に入れています
本棚に追加
・・・聞き覚えのある声・・・俺は自然と声の方向に意識を持って行かれ・・・っ!
時崎「みっ、水風さんっ!!!」
女将「!?」
・・・あまりに突然の事だったので驚いた・・・その驚きに、声の音量が比例していた。
水風さんは、女将さんと同じく「風水」という文字の入った和装・・・というよりも、浴衣姿だった。髪は後で結っていて、初対面の時の学生服姿とは随分印象は違うけど、その瞳には「ふたつの虹」が輝いており、水風さん本人だという事は確実だった。
水風「あっ、えっと、時崎さん!? どおしてここに?」
時崎「水風さんこそ、どうして!?」
水風「どおしてって、ここは、私のお家ですので・・・」
・・・冷静に考えれば、すぐ分かる事だった。ついさっき、水風さんは「ただいまぁー」と言っていたのに、こんなに動揺しているなんて・・・。
女将「あら!? 七夏、お知り合いの方なの?」
水風「はい。前に少し、お話した事があって・・・」
女将「そうなの!? じゃ、少し早いけど、こちらのお客様を、お部屋に案内してあげて」
水風「はーい」
時崎「水風さん!!」
水風&女将「はい!」
俺の言葉に、水風さんと女将さんが同時に返事をしてきた。
水風「あ、私の事は『ななつ』で、いいですよ」
最初のコメントを投稿しよう!