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第十五幕:ふたつの虹と一緒に
昨日は、布団に入ってもなかなか眠れなかった・・・。考え事をしていたからだ。七夏ちゃんが起こしに来てくれて、朝食を頂いて・・・これが「いつもの事」のようになりつつある喜びとは裏腹に、気になる事も大きくなってくる。光が明るく強くなれば、落ちる影も、よりはっきりと形作られるという事だ。俺は七夏ちゃんに今の心境を悟られないよう、足早に自分の部屋に戻ってきた。
一緒に居ると、分かる事と、分からなくなる事がある。民宿風水でお世話になり一週間。ふたつの虹を持つ七夏ちゃんの性格が、ある程度分かってきたつもりではいたが、その本心は分からなくなってきている。近づき過ぎると見えなくなる事以外にも、一緒に過ごす時間が長くなると、見えなくなってくる事もあると言えるのかも知れない。全てを知りたいと追い求めるのは、贅沢な事なのだろうか?
七夏ちゃんの事をもっと知れば、結論が出るのかも知れない。とにかく、ここでの明確な目的が見えてきた事は確かだ。七夏ちゃんの笑顔の写真を撮って、アルバムを作る事。その為には、七夏ちゃんにとって、本当に楽しくて幸せに思ってもらえる事を探す必要がある。
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