第十六幕:虹を映す少女

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あの時の楽曲を確認する・・・点数も、天美さんに勝っている・・・それ以外の楽曲は、言うまでも無く、天美さんが1位のままだ。もう一曲くらい天美さんに勝っておこうかな。一回だけだと「まぐれ」だと言われかねない。 俺は、楽曲の中から、天美さんの点数の低い音楽を選んだ。この選択は後で誤りだったと気付かされる。天美さんの点数が低いという事は、難易度が高いという事だ。 時崎「うー・・・」 俺が高難易度の音楽に苦戦していると、七夏ちゃんが隣に来てくれた。 七夏「その音楽、ここちゃーも難しいって話してました」 時崎「そうなんだ」 七夏「この音楽で良い点数が取れると、可愛い衣装が貰えるのですけど・・・」 時崎「天美さんでも、無理だったと・・・」 七夏「はい。ここちゃーは10回くらい挑戦しないと無理そうと話してました」 時崎「じ、10回・・・俺もう10回以上、挑戦してるんだけど・・・」 俺は、本気で、この楽曲と向き合う事にした。七夏ちゃんが応援してくれるのが心強い。もっとも七夏ちゃんは、新しいコーディネート用アイテムを試したいというのが、本音らしい。それから1時間程頑張って、なんとか天美さんの記録よりも高い得点を叩き出した。 七夏「柚樹さんっ! 凄いです! ここちゃーを超えました!!!」 時崎「あー、手が痛い・・・天美さん、よくもまあ、1回さらっと遊んだだけで、こんな点数を叩き出したもんだと、今、実感してるところだよ」     
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