11人が本棚に入れています
本棚に追加
二人は二階の部屋へ移動する。俺はここで、これ以上ゲームをしている場合ではないな・・・。七夏ちゃんの力になれる事は無いか考える事にしたけど・・・すぐに思い付かない・・・。今すぐに出来て七夏ちゃんが喜んでくれそうな事は、このゲームで高得点を出して、コーディネートアイテムを増やす事くらいか・・・。しかし、今は手が痛い・・・。それよりも、七夏ちゃんに本当の虹を見せる方法が無いか考えを巡らせる・・・。七夏ちゃんにとって本当の虹は「翠碧色の虹」って事になるから、そもそもの言い方が正しくない。七色の虹が七色に見える方法って事になる・・・色が色として感覚されるのは・・・これは目/瞳・・・いや網膜の仕組みを知る必要がありそうだ。
二階から七夏ちゃんたちの会話が聞こえてくる・・・。
七夏「ここちゃー」
心桜「ん?」
七夏「このお部屋でいいかな?」
心桜「お、この部屋は確か・・・」
七夏「? どしたの?」
心桜「えーっと、なんだっけ、アイツは・・・いないか・・・」
七夏「あいつって?」
心桜「あの虫! あたしにタックルしてった奴!」
七夏「あっ、えっと、コメツキムシさん?」
心桜「そう! それ! コメツキムシ!!!」
七夏「別のお部屋にする?」
心桜「いいよいいよ、ここで! 笹夜先輩にコメツキ会わせる訳にはゆかないからね・・・それに別のお部屋って、もうひとつしかないし、笹夜先輩はそっちの部屋で」
七夏「はい☆」
心桜「なんだったら、あたし、つっちゃーと同じ部屋でもいいよ!」
七夏「くすっ☆ はい☆」
普段の七夏ちゃんと天美さんの様子が、少し分かってきた気がする・・・その時---
??「ごめんください♪」
玄関から声がした。お客さんかな?
とりあえず、俺は玄関へ向かう。そこには、白い肌に長い黒髪の綺麗な少女が居た。手には日傘を持っている。
時崎「い、いらっしゃいませ!」
少女「!? は、はい」
最初のコメントを投稿しよう!