第十七幕:夏の街に弾む虹

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書店で三人はそれぞれ別の方向に向かったようだ。七夏ちゃんは小説のコーナー、天美さんは・・・漫画のコーナーで、高月さんは・・・音楽のコーナー・・・手にしたのは楽譜かな? 高月さんは楽器の演奏でもするのだろうか? あまり詮索するのも良くないかな・・・とりあえず、あの「空」と「虹」の写真集があった所に向かう事にした。 時崎「あれ!? ・・・売れてしまったのかな・・・」 なんだか急に寒気がした。「虹はいつか消えてしまう」・・・そんな事は分かっている。だから見えている間に、出来る限りの事をするべきだ。恐らく、「空」と「虹」の写真集は、注文すれば手に入れる事ができるだろう。たけど、それはあの時、俺が手にしていた写真集・・・ <<七夏「くすっ☆ とても夢中になってたみたいですね」>> 七夏ちゃんとの思い出となっている写真集ではない・・・失ってしまってからでは、どうする事も出来ないという事だ。本当にあの時の写真集が無いか、くまなく探してみる・・・あの時一冊しか無かったからやはり・・・。念の為、店員さんに聞いてみようかとレジの方へ向かうと、書店の外で見覚えのある人の姿が・・・高月さんだ。何やら男の人に話しかけられているみたいだが・・・。 高月さんの隣に見知らぬ男・・・。俺は高月さんの様子からナンパされていると気付いたので足を急がせる。 笹夜「は、離してください!」 男 「だから、話してるんじゃ・・・」 笹夜「そういう事ではなくて、手を・・・」 時崎「高月さん!!」     
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