第十九幕:夏の海に弾む虹

14/21
前へ
/1638ページ
次へ
七夏「ありがとうございます☆」 心桜「お兄さん、ありがとね!」 笹夜「ありがとうございます♪」 海への名残惜しさは・・・また、こんな風に四人でお出かけできればいいな・・・と、思う俺の気持ちと重なるのを実感する。そんな俺の思いを余所に、民宿風水に戻る三人は、とても楽しそうにお話していたが、しばらく見ていると、高月さんが時折少し曇った表情を見せている事に気付いた。 時崎「高月さん?」 笹夜「はい!?」 時崎「今日は、疲れた?」 笹夜「いえ、とても楽しかったです♪」 時崎「そ、そう・・・良かった」 笹夜「すみません・・・少し、考え事をしてしまって・・・」 高月さんは、俺が気に掛けたことを読み取っていた。もしかすると手の力が強い事と関係があるのかも知れない・・・。 時崎「考え事!?」 笹夜「ええ。私、今日、時崎さんと一緒にいる七夏ちゃんを見ていて、私達と居る時と少し違うなって・・・」 時崎「え!?」 それは、俺が天美さんや高月さんと居る時の七夏ちゃんを見て、同じような事を思っていたのと通ずる。 笹夜「上手く言えないのですけど、幸せと、少し不安を合わせたような感じ・・・かしら?」 時崎「不安!?」 笹夜「・・・はい」     
/1638ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加