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凪咲「でもね。七夏が、他人の虹に触れたいと望むのなら、母として応援しなければならないと思ってるの・・・それが、柚樹君だったら、協力をお願いしても、いいかしら?」
時崎「凪咲さん・・・もちろんです!」
凪咲「ありがとうございます」
少し安心しつつも、まだ、神経が震えている・・・。俺は、震える神経を宥めるのに手間取り、次の言葉を探し損ねていた。
凪咲「ごめんなさいね」
時崎「え!?」
凪咲「七夏の事になると、ちょっと遠慮がなくなってしまって・・・」
時崎「いえ、そんな事は! 色々ありがとうございます!」
俺は、凪咲さんにお礼をして、自分の部屋に戻った。
「とびだすアルバム」で七夏ちゃんを驚かせたいという思いはあるが、これは少し違う気がしてきた。七夏ちゃんは驚いてくれるかもしれないが、本当は喜んで貰いたい。
アルバムで七夏ちゃんが本当に喜んでくれる事が出来ないか考えを巡らせている。「本当の七夏ちゃん」を七夏ちゃんに知ってもらいたいから・・・。
しばらく「とびだす絵本」を眺めるが、良い考えが思い浮かばない。とりあえず前に進まなければならないので、凪咲さんへのアルバム制作を行う事にした。以前にトリミング編集していた七夏ちゃんの写真・・・その瞳をじっと見つめる・・・。
時崎「・・・そうかっ! もしかしたらっ!」
俺は「とびだす絵本」と「七夏ちゃんの瞳」から、ある考えを思い付いた。
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