第二十三幕:光りなくとも輝く虹

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凪咲「ありがとうございます」 この商店街に居ないとなると、駅前の大きな商店街か、学校か・・・もしかすると・・・。 時崎「・・・居ない・・・か・・・」 俺は、七夏ちゃんと初めて出逢った場所まで来た。辺りは、かなり暗く、光の残っている空を見ると、遠くの山とバス停がシルエットのように浮かび上がるのを見て、少し寒気を覚える。俺は、更に学校の方へ急ぐ。学校までの道のりに居なかったら、心当たりがなくなってしまう。焦る気持ちに足が追いつかなくなりそうだ。次第に早くなってゆく足音と荒くなる息に混じって自分以外の音が割り込んできた。 「ギギギ・・・」 時崎「!?」 俺は、足を止めて、音のした方に意識を送る。 「ギギギギ・・・カシャカシャ・・・」 時崎「この音は!?」 少し遠くから聞こえてくる機械的な音・・・。俺はその音のする方へ足を進める。 「カシシュワーシュワー・・・」 更に音が大きく、はっきりとしてきた。 ??「だめだ!」 ??「えっと、こう・・・かな?」 機械音に混ざって、会話が聞こえてきた。その声の中に聞き覚えのある声!!! 俺は声のする場所へと急ぐ。 時崎「七夏ちゃんっ!!!」 七夏「!!! ゆ、柚樹さん!?」     
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