第二十三幕:光りなくとも輝く虹

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ところが、少しペダルを回すと、再びチェーンが外れてしまった。 時崎「あっ!」 男性「やっぱり、だめか!」 七夏「すぐに外れてしまうみたいなのです」 時崎「これは、変速機の故障かな?」 今の様子から、リヤ側の変速機に不調があるように思えた。変速機をよく見ると、繋がっているワイヤーと固定ボルトの辺りに原因があるようだ。 時崎「ここのボルトを調整すれば、なんとかなるかな?」 七夏「え!?」 時崎「まず、変速機をトップにして・・・六角ボルトをしっかりと回せるもの・・・」 写真機のメンテナンス用に小道具を持っていたので、その中から小型のラジオペンチで固定用のボルトを一度緩めて、ワイヤーを引っ張る。 時崎「七夏ちゃん、この方向から照らしてくれるかな?」 七夏「はい!」 七夏ちゃんからの光に照らされたワイヤーをよく見ると、本来固定されていた所が潰れて平たくなっていたので、その場所が固定用ボルトの位置にくるように調整して、ボルトを固定しなおす。あとは、さっきみたいにチェーンを掛け直す。 時崎「これで、大丈夫かな・・・」 少しペダルを回してみる。 男性「おお、凄い! チェーンが勝手に外れなくなった!」 時崎「あ、いえ」 七夏「柚樹さん、凄いです! あんなに苦労したのに・・・」     
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