第二十三幕:光りなくとも輝く虹

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時崎「ただ、応急処置ですので、自転車屋さんに調整をご依頼ください」 男性「ありがとうございます!」 時崎「あと、変速はしないでください。チェーンが外れてしまうかも知れませんので」 男性「はい。分かりました」 時崎「ちょっと上り坂は辛いかも知れませんけど」 男性「いえ。その時は押してゆきますので」 時崎「はい。お気をつけて! 七夏ちゃん、急いで帰ろう! 凪咲さんも心配してるから!」 七夏「はい!」 時崎「それでは、ちょっと急ぎますので、これで失礼します」 男性「どうもありがとうございました。彼女さんもありがとう!」 七夏「え!? は、はい!」 時崎「七夏ちゃん!?」 七夏「・・・・・彼女・・・さん」 時崎「え!?」 七夏「い、いえ! 何でもないです!」 俺は風水へと急ぐ。七夏ちゃんは少し後ろを付いてくる形となる。少し歩いた所で七夏ちゃんが声を掛けてきた。 七夏「柚樹さん。はい☆」 時崎「え!?」 振り返ると七夏ちゃんは、ハンカチを差し出してくれていた。 七夏「えっと、手の油・・・」 時崎「あ、ああ。ありがとう」 七夏「柚樹さんが来てくれて、良かったです☆」 時崎「七夏ちゃん、帰りが遅くなる時は---」 七夏「はい。ごめんなさいです」 言い切る前に謝ってきた。     
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