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部屋に戻って、昨日の続き、アルバム制作を再開する。七夏ちゃんへの「とびだすアルバム」はどうしようかと思う。昨日見た「C11蒸気機関車」が飛び出してくるというのはどうだろうか? 迫力はあるのだが、女の子に渡すアルバムに黒い蒸気機関車はどうなのだろうか・・・いや、七夏ちゃんならきっと喜んではくれるだろうけど、もっと可愛いイメージで作れないだろうか? 虹が飛び出してくるというのは、止めておこうと思う。そもそも「とびだす」という事に拘らなくても良いのかも知れないな。以前にトリミングしていた七夏ちゃんの写真、その瞳を見ながらメモしておいた「もうひとつのアイデア」ひとつに絞ろうか、飛び出す要素を残すかで迷っている。
一階から物音が聞こえ始めた。恐らく、凪咲さんと直弥さんだと思う。次いで、トントンと扉が鳴った。
七夏「柚樹さん! 起きてますか?」
時崎「七夏ちゃん! どうぞ!」
七夏「おはようございます☆」
時崎「おはよう! 七夏ちゃん!」
七夏「昨夜は早くお休みだったみたいですね☆」
時崎「ああ、ごめん。何か用事でもあったかな?」
七夏「えっと、これ・・・」
時崎「これは、C11機関車?」
七夏「はい☆ お父さんが柚樹さんにって☆」
どういう事だろう? 昨夜、このC11機関車の模型を直弥さんに手渡したけど、それを七夏ちゃんが持ってきた理由が分からない。
時崎「どおして?」
七夏「えっと、お父さん、これからお仕事ですので、この模型さんは柚樹さんにって話してました☆」
七夏ちゃんの説明を聞いてようやく理解できた。直弥さんが風水に居ない間、この模型を皆でバトンのように繋いでゆくという事らしい。
時崎「なるほど!」
七夏「皆で一緒に買った模型さんですので♪」
時崎「そういう事ね! ありがとう! 七夏ちゃん!」
七夏「はいっ☆」
C11機関車の模型を受け取る。七夏ちゃんはとても嬉しそうだ。
時崎「俺はいつ、七夏ちゃんに渡せばいいのかな?」
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