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蝉の目覚ましに起された。昨夜は早く布団に入ったが、七夏ちゃんの影の事を考えていたら、なかなか眠れなかった。高月さんは俺に「七夏ちゃんの事をお願いします」と話していた。七夏ちゃんが、俺の滞在期間の事を気にしてくれているとしたら、とても嬉しく思う。だからこそ、いつこの街を離れるかという事を切り出しにくいのだ。その時まで普段どおり一緒に過ごしたいと考える。具体的に帰る日を決めると、その時からカウントダウンが始まってしまう事になる・・・どうすればよいのだろうか?
トントンと扉がなった。
七夏「柚樹さん! おはようございます☆」
七夏ちゃんだ。俺が起きるのが遅いと起しに来てくれるようになった。今日は蝉の声にかき消されて、七夏ちゃんの足音が分からなかった。このまま布団の中に居るとどうなるのだろうか? 七夏ちゃんをあまり困らせてはならないと思いつつ、高月さんの話してた、少しでも一緒に過ごす時間を大切にするという事も考える・・・それ以前に正直、まだ瞼が重たい。
時崎「・・・・・」
七夏「えっと、柚樹さん! 起きてますか?」
時崎「・・・・・」
七夏「柚樹さん! お邪魔してもいいかな?」
時崎「・・・・・」
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