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蝉の合唱が控えめになった事で、部屋の外の物音が聞こえるようになってきた。午後が近づいている事を感覚する。いつもよりも大きな物音なので、俺はその音のする方へ向かう。
七夏「あ、柚樹さん! お腹すきました?」
時崎「いや、大丈夫。物音がしたので」
以前に高月さんが泊まった部屋から、七夏ちゃんが姿を見せた。
七夏「えっと、騒がしくてすみません。今日は、こちらのお部屋にお泊りのお客様が来られますので☆」
時崎「なるほど。何か手伝う事は無い?」
七夏「ありがとうです☆ 大丈夫です☆」
時崎「何か手伝える事があったら、いつでも声をかけて!」
七夏「はい☆」
今日の七夏ちゃんは、はりきっている様子だ。女将さんとしての良い表情の七夏ちゃんが撮影できると思うと、俺も嬉しくなってきた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
七夏ちゃんと一緒に昼食を頂く。この後、七夏ちゃんとのんびり過ごす事もあるのだが、今日はそういう訳にはゆかない。凪咲さんと、七夏ちゃんは、今日と明日の予定を確認しているようだ。
凪咲「七夏、後でお買物お願いね」
七夏「はい☆」
打ち合わせをしているような凪咲さんと、七夏ちゃんを一枚撮影した。
自分の部屋に戻ろうかと思ったが、そろそろお泊りのお客さんが来る時間なので、このまま居間で待つ事にした。俺も挨拶をしておくべきだろう。
しばらくすると、玄関から声がした。
??「すいませーん」
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