11人が本棚に入れています
本棚に追加
お客さんをお部屋に案内する。七夏ちゃんが居なくなったので、俺が凪咲さんを手伝う事になった。それは全然構わないけど、俺は七夏ちゃんの事が気になって、なかなか手伝いに集中できない。
凪咲「柚樹君、それは私が行いますから、こちらを・・・」
時崎「は、はい! すみません!」
泊まり客のお世話を、凪咲さんが殆ど一人で行っている。俺も出来る限り凪咲さんを手伝うけど、女将として、七夏ちゃんが行っている事の大変さを、改めて知る事となった。
お客さんへの対応・・・当宿が禁煙である事や、夕食、朝食の場所と時間、お風呂場の場所とご利用時間、浴衣の場所とお布団の準備時間、外出される場合、鍵の預け先等、ここ風水での生活にある程度慣れていて、良かったと思った。ひととおり説明を終え、ようやくひと段落ついた。
凪咲「七夏、まだ自分のお部屋かしら・・・」
時崎「そう・・・みたいですね」
凪咲「困ったわね・・・おつかいを頼んでたのですけど・・・」
時崎「だったら、俺が代わります!」
凪咲「ありがとう。柚樹君」
時崎「いえ」
凪咲さんから、おつかいのメモを受け取ると、俺は商店街へと急いだ。買い物自体は食材が主で、今日の夕食や、明日の朝食に使うのだと思う。玉子はまだ沢山あったような気がするけど、お客様には新鮮な食材で・・・と言う事なのかも知れない。
最初のコメントを投稿しよう!