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直弥「正確には『3灯式信号機』と言って、鉄道模型の部品のひとつだ」
時崎「・・・はい」
直弥さんから手渡された箱の中身は、短い線路と小さな信号機が一体化された商品だった。
直弥「この信号機が全部で6個あるのだが・・・」
時崎「6個ですか!?」
直弥「それを、設置してもらえないかな?」
時崎「俺がですか!?」
直弥「この前、七夏と一緒に踏切を設置してくれたと聞いてるから」
時崎「そう言われれば」
直弥「本当は、七夏にお願いしようと思ってたのだけど・・・」
俺は、直弥さんの真意を理解した。七夏ちゃんと一緒に過ごせる機会を作ってくれているのだと。
時崎「ありがとうございます! ぜひ!」
直弥「そうか! では、よろしく頼むよ」
時崎「はい!」
直弥さんから、信号機のレイアウト上への設置場所を記したイラスト図を受け取った。
直弥「七夏を見ていて、僕も変わらなくてはと思ってね」
時崎「え!?」
直弥「信号機には、色々と思う所があってね」
時崎「あっ!」
直弥さんの鉄道模型のレイアウト・・・敷かれた線路上には、信号機がひとつも無い。俺はそれほど列車に詳しくないから気づかなかったけど、直弥さんくらい列車好きだと、レイアウトに信号機が無い方が不自然な事なのかも知れない。
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