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直弥「鉄道模型の信号機は、趣味を楽しむ事を第一に考える僕にとっては『無意味な物』だと思ってたんだよ」
時崎「・・・・・」
直弥「だけど、それは僕の思い込みであって、他の人もそうとは限らない。自分にとっては無意味であっても、他の人にとっては大切な意味があるのなら、目を背けてはならない」
時崎「大切な人にとって意味があるのなら・・・」
直弥「・・・そういう事になるかな」
直弥さんは、この模型の信号機の灯りの色は、俺と見え方が違うと思う。そして、七夏ちゃんがどのように見えるかも・・・。この信号機を設置する事は、それぞれの感覚の違いを、よりはっきりとさせてしまう事を意味する。信号機が分けるのは「進め/注意/止まれ」だけでは無いという事だ。
時崎「この信号機の設置、急ぎますか?」
直弥「いや、特には・・・時崎君が出来る時で構わないよ」
時崎「分かりました!」
直弥「色々と、すまないね」
時崎「いえ。それでは、失礼します」
直弥「あ、時崎君!」
時崎「え!?」
直弥「これを・・・」
直弥さんは、俺が買ってきた「C11蒸気機関車」の模型を差し出してきた。
時崎「あっ! 七夏ちゃんに届けます!」
直弥「よろしく、頼むよ」
時崎「はい。では」
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