第二十九幕:思い込みの虹

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時崎「七夏ちゃんっ!」 俺は慌てて扉へと向う。今、扉の向こうに居るのは、七夏ちゃんだと分かるから! 七夏「柚樹さん・・・」 時崎「七夏ちゃん! 良かった!」 七夏「えっと・・・その・・・」 時崎「とにかく、中へ・・・」 七夏ちゃんは軽く頷いて部屋の中に入ってくれた。部屋に良い香りが広がる。七夏ちゃんは、お風呂あがりのようだ。 七夏「・・・ごめんなさい!」 時崎「え!?」 七夏「えっと・・・きょ、今日、写真機に驚いちゃって・・・その・・・」 時崎「謝らなくていいよ。こうして七夏ちゃんとお話できるだけでも嬉しいから」 七夏「柚樹さん、写真機持ってませんでした・・・」 時崎「え!?」 七夏ちゃんは気付いていた。俺が写真機と距離を置いていた事を・・・。七夏ちゃんの性格からすると、今更驚くことではない。 七夏「夕食の時・・・」 時崎「ああ、充電! 電池の残量が少なくなってたから、部屋で充電してたんだよ」 七夏「充電・・・」 時崎「だから、七夏ちゃんのせいで写真機を持ってなかった訳じゃないから!」 七夏「・・・・・」 七夏ちゃんに本心を読まれてしまわないかと焦る。その前にいつものように話仕掛ける! 時崎「俺、好きだから!」 七夏「えっ!?」 時崎「写真の事!」     
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