第二十九幕:思い込みの虹

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改めて、写真機のファインダーの中には、少し懐かしい七夏ちゃんの笑顔があった。俺はその笑顔を無意識に撮影していた。 時崎「・・・・・」 七夏「どしたの? 柚樹さん?」 時崎「あ、いや。ありがとう!」 七夏「えっと、お帰りなさい・・・は?」 時崎「え!?」 七夏「くすっ☆ それじゃ、柚樹さん! おやすみなさいです☆」 時崎「あっ! 七夏ちゃん!」 七夏「はい!?」 時崎「これ!」 七夏「あっ!」 俺は、直弥さんから渡されたバトン「C11蒸気機関車」の模型を七夏ちゃんに渡す。 時崎「よろしく・・・これからも!」 俺は、模型を渡す時、七夏ちゃんの手も一緒に包む。 七夏「あっ! えっと・・・はい☆」 そのまま、しばらく手の温もりを伝え合った。 時崎「七夏ちゃん、おやすみ!」 七夏「はい☆ おやすみなさい☆」 七夏ちゃんは、軽くお辞儀をして、自分の部屋に戻った。それぞれ、色々な思い込みがあったけど、明日からは、いつもの七夏ちゃんと楽しく過ごせると思うと、今日一日がとても長く疲れた感が押し寄せてきた。 時崎「俺も、流してくるとするか」     
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