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俺は、さっきケースにしまった写真機を取り出し、先程撮影した七夏ちゃんの写真を表示して、七夏ちゃんに見せてあげる。七夏ちゃんが、写真機の液晶画面を覗き込ん・・・
時崎「うぇーっ!!」
七夏「ひゃっ!? 柚樹さんっ!! ごめんなさいっ!!」
写真機の液晶モニターに映る七夏ちゃんに、気を取られていた俺の瞼に、七夏ちゃんの帽子のツバが当たる・・・突然の事に変な声を上げてしまった。
七夏「ゆ、柚樹さんっ! 大丈夫ですか!?」
時崎「あ、いや、大丈夫。大袈裟な声を出して、ごめん」
七夏「そんなっ! 私のほうこそ、すみませんっ!! 目に入ってませんか?」
時崎「目には入ってないよ、瞼だから大丈夫」
七夏「良かった・・・ホントにすみません・・・」
時崎「くくっ・・・」
七夏「柚樹さん!?」
時崎「あははっ!!」
何か、七夏ちゃんには、いつも驚かされつつも、今回は大きな帽子に感謝する。
時崎「ごめん。ちょっと可笑しくて・・・。で、はい。これ!」
今度は、かぶっていた帽子を手に取り、七夏ちゃんが写真機の液晶画面を覗き込む。そこには笑顔の七夏ちゃん。
七夏「良い写真って、これですか?」
七夏ちゃんが改めて訊いて来る。何故改めて訊いてきたのか疑問に思うが、今、液晶画面に映っている七夏ちゃんは良い表情なので、良い写真である事に間違いは無い。俺は七夏ちゃんの顔を拡大表示して、
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