第三十幕:迷う心の虹

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心桜「あはは! 同じピアノなのに、不思議だよねー」 七夏「くすっ☆」 心桜「でも、まさか本当に笹夜先輩が演奏してくれるとは思わなかったよ!」 七夏「ここちゃー・・・もう! すみません、笹夜先輩」 笹夜「いえいえ♪」 心桜「笹夜先輩、こういうの断ると思ってました」 笹夜「この可愛いグランドピアノ、心桜さんの演奏を聴いて、その音色が気になりましたから♪」 時崎「音色?」 笹夜「ピアノは、ひとつひとつ音色が異って個性があります♪」 時崎「なるほど」 笹夜「RunDraw社のピアノは、煌びやかな高音域と優しい中音域が特徴です♪」 時崎「ランドロー社?」 笹夜「ピアノのブランドです♪ このグランドピアノは電子ピアノみたいですけど、本物のグランドピアノように豊かな響きで驚きました♪」 時崎「なるほど、音楽の世界も奥が深い」 心桜「そりゃ、そうだよ! 突き詰めるとキリが無いよね!」 時崎「高月さん!」 俺は、持っていた高月さんの鞄を渡そうとした時--- 笹夜「きゃっ!」 時崎「おわっ!」 心桜&七夏「!?」 高月さんと少し手が触れて、反射的に手を引っ込められた。その勢いで鞄を落としてしまい、中身が飛び出してしまった。 笹夜「す、すみませんっ!」 時崎「いや・・・こっちこそ!」     
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