第三十一幕:日常の虹

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ありふれた日常。わりと耳にする言葉だと思うけど、改めて考えるとよく分からない。何が「ありふれた」なのだろうか。 昨日、浴衣を持った天美さんと別れる時、七夏ちゃんから「着付け5点セット」を渡されて、少し大変そうだったけど、その表情はとても嬉しそうだったな。これから天美さんにとって浴衣も「ありふれた夏の一場面」になってほしいと思う。こういう使い方なのだろうか。 トントンと扉が鳴る。俺は扉を開ける。 七夏「おはようございます☆」 時崎「おはよう! 七夏ちゃん!」 七夏「昨日はありがとうです☆」 時崎「え!?」 七夏「一緒にお買い物☆」 時崎「ああ。俺でよければいつでも声を掛けてくれていいから」 七夏「はい☆ えっと、昨日の帰りに柚樹さんがお話ししてくれた事で---」 時崎「あ! 直弥さんの件!?」 七夏「はい☆ えっとお父さんの模型さんに信号を付けるの、一緒にお手伝い。今日の宿題が終わってからでいいですか?」 時崎「ありがとう! もちろん構わないよ!」 七夏「くすっ☆ あと、朝食も出来てますので☆」 時崎「ああ! すぐに降りるよ!」 七夏「はい☆」     
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