第三十一幕:日常の虹

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・・・聞き間違いではない。七夏ちゃんは確かに俺と同じ「赤」と「青」を認識できている。七夏ちゃんと俺は同じ色を見ているという事なのか!? サンキャッチャーの時も思ったけど、こういう事は何度あっても嬉しくなる。 七夏「? どうしたの? 柚樹さん?」 時崎「え!? いや、信号の灯が綺麗だなと思って」 七夏「くすっ☆ 柚樹さん、どうぞです☆」 時崎「ありがとう」 俺は、コントローラーのつまみに手を持ってくる。この前は七夏ちゃんが手を添えてくれた事を思い出す。七夏ちゃんは信号機と列車を眺めているだけで、この前のような展開にはならなさそうだ・・・だったら! 時崎「七夏ちゃん!」 七夏「え!?」 俺は、コントローラーのつまみと七夏ちゃんを交互に見ると、七夏ちゃんは察してくれたようだ。 七夏「~♪」 七夏ちゃんがあの時のように手を添えてくれた。これを「日常の事」のようにしたいと思う。一緒にコントローラーのつまみをゆっくりと回すと、駅の3等式信号機が「赤」から「青」に変わった。 時崎「おっ! 青になった!」 七夏「はい☆」     
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