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七夏ちゃんと一緒に駅前まで歩く。以前よりお互いに程よい距離感が分かりあえてきているのか、自然に思える。何か話題を考えなければ・・・という焦りがあった事が懐かしく思える。会話がなくても心地よい。
時崎「凪咲さんのお買い物は先に済ませる?」
七夏「え!? えっと、重たい物がありますので、帰る前がいいかなって」
時崎「重たい物・・・お醤油が3本とか?」
七夏「くすっ☆ お醤油もありますけど、今日はひとつです☆」
時崎「そ。そう」
七夏「懐かしいなぁ♪」
時崎「え!?」
七夏「初めて柚樹さんと一緒にお買い物に出かけた事☆」
七夏ちゃんも「懐かしい」と思ってくれている。ついこの前の事のようにも思えるので、不思議な感覚だ。
時崎「お醤油以外にも沢山あるの?」
七夏「えっと、重たいのは、お醤油と、洗剤、後はシャンプーとリンスです♪」
時崎「なるほど、それ全部任せて!」
七夏「くすっ☆ ありがとです☆」
俺は思った。今の七夏ちゃんの「ありがとう」は、素直に言葉として帰ってきている。でも、「可愛い」と話した時の反応は、あまり良くない。本当に、気を付けなければならないな。
時崎「七夏ちゃんのお買い物は、小説・・・かな?」
七夏「はい☆」
時崎「じゃ、それから見にゆこう!」
七夏「えっと、柚樹さんのお買い物は?」
時崎「電気店。直弥さんからの頼まれ事だけど、その前に俺も本屋さんで面白そうな本がないか探してみるよ」
七夏「はい☆」
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