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第四幕:自然な虹の輝き
七夏ちゃんがこの街の写真屋さんへ案内してくれる事になり、一緒に写真屋さんへ向かう・・・。その間に気の利いた話題をするはずで、その準備時間もあったのに、上手く進まない。七夏ちゃんに初めて逢ったあの時、雑念を捨てて写真撮影をお願い出来た理由が分かった気がする。そう、あの時は、断られたら潔く諦めるつもりだったからだ。今は、断られるのが怖いという想いがリミッターとなっている。とにかく今は七夏ちゃんの好きそうな話題を考える・・・何か良い話題はないかな・・・そう言えば---
時崎「七夏ちゃんは、本を読むの好きだったりする?」
俺の、突然且つ不器用な話の振り方に驚いたのか、少し前を歩いた七夏ちゃんは、立ち止まって、目を丸くしつつ視線を送ってきた。
七夏「突然どおしたのですか?」
そりゃ、そうなるよ・・・。しかし、七夏ちゃんは、すぐに状況を理解してくれたらしく・・・
七夏「えっと、本は、よく読みます! 特に小説が好きです!」
俺の話に合わせてくれる。こういう気の利かせ方ができる事が、羨ましく思える。
時崎「小説か・・・。そう言えば、初めて出逢った時、バス亭でも、本を読んでいたよね」
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