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第六幕:太陽があって虹は輝く
大きな音で目を覚ます。「蝉の目覚まし」は、なかなか破壊力があると思うが、不思議と、目覚まし時計の音のような嫌な印象は受けない。
時崎「ん、もう朝か・・・」
布団から出て、部屋の窓を開ける。蝉の声が一気に押し寄せ、加えて強い朝日が眠気を吹き飛ばしてくれる。これは、なかなか心地よい。ふと下を見ると人影があった。視線を合わせると、七夏ちゃんが、お花に水をあげていた。俺が窓を開けた音に気付いたのか、こちらに視線を送ってきて微笑んでくれた。
時崎「おはよう! 七夏ちゃん!」
七夏「えっ? あっ、おはようございます!」
俺の少し大きな声に驚いたようだ。顔を洗う為、一階の洗面所へ向かう。
凪咲「おはようございます」
時崎「おはようございます! 凪咲さん!」
凪咲「朝食、もう少し待ってくださいね」
時崎「はい。ありがとうございます!」
今日は、七夏ちゃんは、お庭での用事なのか、朝食は凪咲さん一人で準備しているようだ。そこへ、七夏ちゃんが戻ってきた。
時崎「お疲れ様。七夏ちゃん」
俺の言葉に七夏ちゃんは微笑みを返してくれた。
七夏「柚樹さん。今日は、お友達が来ますので、ちょっと騒がしくなるかもです」
時崎「全然、構わないよ」
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