レジスタンス

1/1
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ

レジスタンス

 アリスはコロッセオを出てMOVEに乗り込んだ。  男と男のセックスはナカナカそそられる。  ズズンッ!爆発音が聞こえた。  バックミラーに紅蓮の炎に包まれたコロッセオが映った。  レジスタンスは名古屋郊外にある擬洋風建築の建物だ。明治の薫りがする。  完全な洋式ではなく和の技術で再現されている。  木造なのだが石造りに見える。  時計塔を見上げる。  24時になろうとしていた。  窓には鎧戸がついており、屋根は茅葺きだ。黒漆喰の壁に蛙がへばりついている。  引き戸を開けた。  ラブホテルだから当然だが鍵は開けっ放しだ。  ロビーにはフランス人形が飾られてある。  感じそうになった。  アリスはアガルマトフィリアだ。人形や偶像に性的な興奮を覚えるのだ。  自宅には無数の人形が飾られてある。   《102》  浩美は少年から乳房を揉みし抱かれていた。 「浩美さん」  うなじにかかる彼の吐息が次第に熱をこもらせている。 「浩美さんのことずっと…………」  少年とは以前いた少年課時代に知り合った。  少年はクラスメイトからいじめに遭っていた。   浩美は剣持から大津のマークを任されていた。  大津が犬井警視と恋愛関係にあることを知った。  少年の顔は17歳とは思えぬほどギラついていた。牡の欲望を潜めていた。  少年の手が浩美のブラウスの中に忍び込み、まくりあげてきた。薄紫のブラジャーが顔を覗かせた。  ブラを引き上げられ、Dカップの乳房がプルンッと弾けた。  少年の唇が乳首にかぶさった。  唾液が塗り込められ、蠢く舌でチロチロと乳頭が弾かれた。 「アハァッ(;゜0゜)」  アリスはカウンターに向かった。  ホテルのナカには点滅するボタンを押すことにより部屋のロックが解除されるところもあるが、レジスタンスはアナログな会計システムだ。  時間制限なしで4000円か?ナカナカいいじゃない? 「あれ?お連れの方は?」  笑福亭鶴瓶に似たフロントマンが訝しげにアリスを見る。 「終電逃しちゃって」 「それはお可哀想に」  フロントマンがルームキーを差し出した。 「103号室になります」  フロントマンが耳元で囁いた。 「たくさん殺りなよ?ねっ?」
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!