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「あっ……!」
それはまさしく、昨夜、キャンディガーリックからもらった魔法のステッキ──ラブパワーステッキなどという名前だった。ただし、20センチほどの長さに縮小されていた。
「夢じゃなかったのか……」
つぶやきがもれた。
だがステッキの大きさが記憶と異なる。80センチほどあったはずだ。もっとも、そんなに大きくてはカバンにも入らないし、持ち歩くのにも邪魔だ。
試しに振ってみた。
「わっ」
突然、ステッキは手品のように一瞬で大きくなり、忠信が知っているサイズになった。
職場でこんなものを持っているところを見られるわけにはいかない。あわててデスクの下に隠した。
始末に困っていると、
「佐藤さん、どうかしたんですか?」
後輩が、あからさまに不審な動きの忠信を目ざとく見つけて声をかけてきた。
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