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──やはりここは速やかに立ち去ろう。
カバンを受け取り立ち上がろうとすると、少女も立ち上がり、
「見られたからには仕方ないわ」
急に態度がかわった。この場を取り仕切るような、有無を言わせぬ口調。
「おじさんも魔法少女マジカルキャンディの一員になって、悪魔と戦うのよ!」
頭を打った後遺症だな、と忠信は決めつけた。これが現実だなんてどうかしている。あるいは悪い夢でも見ているか──。
「ちょと、どこ行くのよ」
歩き去ろうとする襟首をつかまれた。少女とは思えぬ力強さに、忠信は引き倒されそうになる。
「おじさんは、魔法少女になれるチャンスを逃すの?」
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