1章

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次の日、現場に仕方なく向かう事にした。 辞めるつもりだった。 どうせ、たかってくる今夜の焼鳥屋で、きっちりと私の意見と気持ちや出費の度合いを西嶋に話し辞める。 私の会社にもそう言って辞める。 次の日の朝になり現場に到着「おはようございます。」 無視… 現場の西嶋には無視され、それは昼前まで続いた。 取り敢えず部下達には内容を話し理解してもらった。 そして昼前の時、西嶋が初めて喋った「おい茨木!のり弁買って来い!」 始めの言葉がそれかい!殺すぞ!西嶋!何もわかってない西嶋に殺意が沸いた。 辞める前の、ささやかな仕返し、私は買ったのり弁の竹輪天ぷらを靴の裏に擦り付けた。 「西嶋!これを食って死にやがれ!」 戻る車の中で私は叫んでいた、どこからか線香の香りがした?気には止めず現場に戻った。 西嶋に弁当を渡し奴が箸を割りふたを開け一番に竹輪を食らう!が一瞬箸が止まった! 気付かれたか!やばい! だが、そのまま食べた! 死にやがれ西嶋!と心の中で深く叫んだ! やがて夕方になり西嶋は案の定、焼鳥をたかってきた。 その夜、焼鳥屋で全て話し、無理やり納得させた。 退職する前提で休みをもらい一週間の時が流れ竹輪のことも忘れかけたある日。 部下(友下)から一本の電話が「茨木さん、西嶋さん今日は休むらしいです。」 休んだ事の無い?あの西嶋が休み? 「わかった、また何かあったら連絡して!」 すると友下が「茨木さん!今日はゆっくり休めますね!」 西嶋の電話は休んでからも毎日鳴っていた。 普段の愚痴を部下達に漏らしていたので、友下の気づかいの一言だった。 「友下!ありがとう!普通の生活が欲しいわ!」 本当にそうであった。 次の日、とりあえず現場に出て見ると今日も西嶋は休みだった、私は自分の会社に連絡を取り現場に復帰した。 「もう!辞めるなんて言わないで下さいよ!茨木さん。」と、事務員さんが、皆に心配をかけていたんだと私は思った。
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