1章

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次の日も西嶋は休み、そして一週間が過ぎた頃、西嶋の奥さんが現場に現れこう言った。 「主人は脳梗塞で倒れ、いまだに意識が戻らず現場復帰は無理なので退職届を出しに、皆さんいろいろお世話になりました。主人の事なので皆さんに無理ばっかり言ってたと思います。ご迷惑をかけました。」 おいおい… いきなりであった、っていうか、竹輪や無いやろな? 私は、居なくなった西嶋の代理として現場を任された。 「茨木さん!結果オーライじゃないですか!」 友下の一言、確かにそうであった。 時が過ぎ、西嶋の記憶が薄れた頃、奴は死んだ。 寺は完成し、ふと西嶋の事が気になり靴で竹輪を擦り付けた事との関連を調べたが脳梗塞には繋がらず、あり得ない事だった。 きっと酒の飲み過ぎ、罰が当たったんや! あっけない死に方… 私は、そう決め込みここの寺を後にした。
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